果糖ブドウ糖液糖が肥満の原因だという説がある。果糖ブドウ糖液糖はコーンを原料に作られる甘味料で、飲み物だけでなく、スイーツや惣菜、冷凍食品などの加工食品にも幅広く使われている。
「じつは怖い外食」などの書籍で有名な南清貴氏によれば、果糖ブドウ糖液糖は砂糖よりも激しく血糖値を上昇させるため、肥満や糖尿病にかかりやすいという。実際、アメリカでは使用禁止の運動も展開されているそうだ。
現在、あらゆる加工食品の原材料に果糖ブドウ糖液糖が使用されており、本当なら怖い話だが・・・。
A.あらゆる実験でとっくに否定された説です
果糖ブドウ糖液糖のバッシングは昔からあるが、これまでに何度も否定されてきた。
例えばロードアイランド大学が2012年に行った実験では、247名の肥満患者を対象に、果糖ブドウ糖液糖の太りやすさが検証された。具体的には全員を半分に分け、果糖ブドウ糖液糖を大量に飲むグループと、砂糖を大量に飲むグループで体重の変化を比べたのだ。もちろん、全員の摂取カロリーは同じである。
そして12週間後、全員の体重は同じように減っていた。果糖ブドウ糖液糖が肥満の原因なら、同じカロリーを摂ったうえでに体重に差が出なければおかしいだろう。
また、2001年にもクイーンズマリー大学が似た実験を行ったが、やはり果糖ブドウ糖液糖が太りやすいわけではないとの結論が出た。果糖ブドウ糖液糖を叩く根拠は薄い。
ちなみに、アメリカで果糖ブドウ糖液糖が問題になったのは、甘いソフトドリンクは口当たりが良いため、つい飲み過ぎてしまうからだ。
つまり、カロリーさえ守っていれば、果糖ブドウ糖液糖には問題がない。