アンダーグラウンド
武蔵野夫人【連載】どんな女がやってくる?
2017.1.1

無題111

 

 いきなり自宅に招くエンコー女については、過去に一度取り上げたことがあります。そのときの女の住まいは東京東部の野暮ったい地域で、そのためか、女本人も化け物的な容姿でありました。

 

 しかし今回の自宅エンコーは三鷹です。三鷹事件のマイナスイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょうが、現在の三鷹は武蔵野の面影が残る閑静な住宅街という一面を持っています。部屋で待っているのもおしとやかな女性なのではないでしょうか。

 無題11

 イチゴーで約束し、待ち合わせ場所である三鷹市内のバス停に出向いたところ、ピンクのコートを着た派手な女がやってきました。顔は椿鬼奴のようです。のっけから三鷹幻想は消滅しました。

 

 

「すいませんね、遠くまで来てもらって」
「いえいえ、一人暮らしなんですか」
「ダンナがいるけどお仕事を頑張ってますので大丈夫です。えへへ」

 

無題1

 招待されたのは古びたアパートでした。テーブルには謎の錠剤が大量に置いてあります。アッチ系の人なのでしょうか。

 

無題

 そして壁には、不気味なタッチで描かれた顔の絵と「すまん」の文字が。何に対しての謝罪なのでしょう。

 

「あの絵はどういう・・・」
「ああ、ワタシが無意識に描いてました」

 

 無意識にこんなものを描くことも、そしてそんな気味悪い絵を飾る神経も、とてもコッチ側の人間だとは思えません。

 

 よく見ると、彼女の手はプルプル震えています。クスリが切れたのかもしれません。ここは嘘をついて引き返すとしましょう。

 

「あっ、お金持ってくるの忘れたや」
「あ、コンビニ行きますか?」プルプルプル(手の様子)

 

「いや、口座にも入ってないので、またメールします」

 

 帰り道、三鷹の住宅街には、冬の暖かな陽光が差していました。

 

 

 

TOPページへ戻る

 

この記事は『裏モノJAPAN2013年3月号[Kindle版]』に掲載されております。

他の記事をご覧になりたい方は、下記リンクよりアマゾンでお求めください。

 裏モノJAPAN201303