テクニック
防犯カメラそのものに防犯対策がなく、設置場所がオープンになっていて、滅多に人が来ないってことは…? カネの悪知恵150
2016.11.8

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 いつぞや友人宅をたずねたところ、ヤツが玄関先で作業着姿のニーチャンと何やら話し込んでいた。あとで聞いてみれば、防犯カメラの買い取り業者で、友人が経営する有料パーキングに設置されていた中古カメラを引き取りに来たのだという。

 

「そんな中古カメラなんか金になるのか?」
「レコーダーとセットで7万くらいになったよ」
「けっこうイイ値だな」
「取り付けたときは20万ほどかかったからね」

 

 そのとき俺がふと、世間のあちこちでお目にかかる防犯カメラをかっぱらおうかと考えたのには、2つ理由がある。
 
 ひとつは、中古でも割と高値で売れることだが、それにも増して魅力的だったのは、ずいぶん仕事がやりやすそうだと思ったからだ。
 
 なるほど監視カメラが設置されている場所は、いかにも防犯意識が高そうで、盗っ人も敬遠しがちだ。しかし、一転、肝心のカメラに目を向ければどうだろう。誰もカメラが盗まれるとは想定してないだろうから、カメラ自体の防犯対策など無いに等しいのでは?
 
 その予想は、友人のパーキングをチェックして確信に変わった。新しく取り付けられた新品のカメラは、雨風をしのぐためのボックスに入った状態で鉄柱に設置してあるのだが、一般的な工具さえあればカンタンに取り外せそうなのだ。同じ鉄柱の別ボックスに格納されているレコーダーも同様で、まるでどうぞ盗んでくださいと言わんばかりの無防備さだ。うーむ、こりゃやってみる価値あるかも。
 
 あれこれ考えた末、狙うべき獲物を決めた。山林などに設置されている不法投棄の監視用カメラだ。ああいうところのカメラは、普段、人が近づかないからこそ設置されているわけで、そのぶん仕事もしやすいに違いない。おまけに各自治体のHPには、ご丁寧にもカメラの設置場所が紹介されてるってんだから、まさに打ってつけのターゲットといえるだろう。
 
 さっそく深夜、車に乗り込み某県の山林へ。そろそろ現場に差しかかろうかという段になって、ふいに大きな看板が目に飛び込んできた。

 

【不法投棄ダメ!  監視カメラがあなたを狙ってます】

 
 ふっふっふ、マヌケにもほどがある。わざわざドロボーにお宝の在りかを教えてくれるとは。いったんカメラのエリアを通り過ぎてから、徒歩で現場に戻る。見たところカメラの数は3つ。どれもベルトのようなもので木にくくりつけられているだけなので、取り外すのは造作もない。が、3つのうち2つはあまりにも高い位置に設置してあるため、パクれそうなのは大人の肩くらいの高さにある1台のみだ。
 
 他のカメラに映らぬよう慎重に死角を移動し、狙いのカメラをちょちょいと取り外す。続いて接続コードとレコーダーもきっちり抜き出してから、素早く車に。所要時間は15分ジャスト。ラクショーである。
 
 翌日は別の県の山林へ出向き、これまたあっさりとカメラ1台をゲットした。さらにその翌日も遠くの県に足を運んでまた1台。まったくどこまで無防備なんだろう。わかっていたこととはいえ、これほど上手くコトが運びすぎると、逆に怖いくらいだ。
 
 もっとも、自治体のカメラばかりパクっていてはそのうち世間が騒ぎ出しかねず、そうなれば転売の際、支障が出るのは必至だ。
 
 そこで途中から車の出入りの少ない有料パーキングなどにターゲットを切り替えることに。当然、人気の絶えた山林より倍の神経を使うハメになったが、作業自体の難易度はまったく変わらない。ささっとドライバーでネジを取りはずせば、相変わらず拍子抜けするほどのあっけなさで、目的を達成できるのだから。
 
 こうして犯行を繰り返し、手に入れたカメラの一式は計15台。それらを複数の買い取り業者に分散して売り払ったところ、30万ほどが懐に転がり込んだ。
 
 思ったより額が伸びなかったのは、説明書などの付属品が足りなかったり、型の古すぎるものがあったりして、さんざん業者に買い叩かれたためだ。防犯カメラを狙うアイディアは我ながら良かったと思うのだが…。どうも割が合わないようなので、悪事はこれっきりにするとしよう。
 

 

 

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