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20年間失業手当をもらい続ける男が語る「働くざる者が食う為の処世術」
2016.6.11

【まえがき】

 本記事は裏モノJAPAN2000年7月号特集「我が国はカモである」に掲載されたものをWEB版に改変したものです。

 ネタ自体は古いながら、当時から20年もの長い年月を失業手当だけで食い続けたきた男の手口を記事化したものであり、そこには現在読み返しても色々と含みのある内容と感じ、掲載させていただきました。

 一体、男はどんな手口で生ぬるい人生、生活を謳歌しているのか?

 どうぞ告白に耳を傾けてください。

失業手当

 

【本文】

 失業の後、新たな職に就いてか らも社会保険に加入せず失業手当をもらい続ける「不正受給」の手口は広く世に知られ、また多くの人に実践されている。
 失業率が過去最高を更新し続け、 保険受給者もうなぎのぼりとなっているご時世、職業安定所も対策に頭を悩ませているようだが、不正者を見つけだす有効な手だてはなく、タレ込みに頼るしかないのが現状のようだ。

 さて、今回はこのあまりに一般的な手口は脇に置いておき、特殊な方法で社会保険制度の恩恵に授 かっている人物を紹介することにしよう。

 

仕事は現場でボヤボヤしてるだけ

 兵庫県在住の田沢勝一氏(仮名、63才)は、ここ20年来、失業保険を目当てに就職→解雇→再就職を繰り返し、日々のほほんと暮らす独居老人である。身よりはない。

 規定の日数、規定の金額を受け取っているだけなのだから「国をバクる」という言い方は少々大げさかもしれないが、ハナから保険目当てで就職するとは、ずいぶんタチの悪いジイさんであることに違いない。
 いったい彼はこの数年間をどの ように過ごしてきたのだろうか。
「すっと同じことの繰り返し。仕 事は職安で紹介してもらうんやわ。みんな仕事ないないって言うてるけど、それは選り好みしとるからや。実際は左官の手伝いやら、 型枠工の補助やら、特別な技術のいらん仕事がたくさんあるよ。給料は安いけどな」

 待遇がどれだけ悪条件であれ、元々、給与生活者になろうというつもりのさらさらない氏にはどうでもいいこと。社会保険に加入さえしていれば、そこが希望就職先となる。

 歳をとるに従い、すんなり潜り込める率は下がりつつあるらしいが、この不景気でさえ平均3社も回ればどこか引っかかるそうだ。
 就職が決まれば、失業保険の給付要件を満たす最低日数、1年間だけ黙々と働く。現場仕事とはいえ、作業そのものは単純だから、そう苦にはならない。しかもマジメには働かず、ただただ時間の過ぎるのを待つだけ。どこの現場に も、あのジイさん使えねえなあと陰口を叩かれる人物がいるが、ま さに氏がそれに当たる。

 そして1年後、正確には11ヵ月ほど経ったところで、無断欠勤を開始する。
「すぐ手当をもらうには、会社都合で辞めないかん。要するにクビってことやけど、それには無断欠勤がいちばんやからな」

 自己都合で退職した場合、失業保険に給付制限が設けられている(通常、手続き終了3カ月後から 給付開始)ことは、周知の事実。 保険を糧とする氏にとって、それだけは避けねばならない。辞めたくても、自分から辞めるとは口に出せない。
「まあ、最初は注意されますわね。でもそんなん聞く必要ない。右から左へ流すだけ。あ、すんませんって言うてたらそんでええ」

 最初のうちは3日に1回の割合で欠勤し、そのうち2日に1回、 そして毎日休む。徐々にシフトしていけば、ひと月ぐらいはとりあえず社員のままでいられる。
 そして就職1年を過ぎたころに、 首尾よく解雇通知を受け取ればしめたもの。職安で求職手続きをして、万事めでたく失業者となる。
「まあ、クビになるときはキッイわ。やっぱりゴチャゴチャ言いよるからなあー」

 ということらしいが、20年も同じ生活を続ける彼は、もう慣れっこになっている様子だ。

都市を取るほどに楽になる解雇人生

 制限なくすぐさまもらえる給付金は、在職時の賃金が低いため、1日あたり5000円弱にしかならないが、派手な遊びをするわけでもないという氏は、十分すぎるほどだと満足げな様子だ。そもそもカスミを食って生きる以上、質素な暮らしは覚悟している。

 ところで。本来、失業保険は、職を求めているのに見つからない物に対して給付されるものであり、月に1度の認定日が設けられているのもそのためである。

 しかし、保険そのものを目的とするものが、給付期間中にわざわざ再就職先を見つけ出すはずがない。氏もまた、のんびりテレビでも見て過ごすのが日課だ。

 そして受給期間の終わりが近づけば、また社会保険付きの職場を探す。

 氏は40台の前半からこの方法で食いつないでいるが、面白いのは、所定給付日数の関係上、年を取るに従い生活が楽になっている点だ。

 たとえば45歳未満の時には90日分しかもらえなかったのが、45歳からは倍増の180日、60才以上で240日。

「仕事内容事態に変化はないんですわ。私のやってるのは、手元っていう補助ばっかりやから。それでもやめてから差が出てくる。ま、保険ゆうのは年寄りのためにあるんやろうね」

 今現在、田沢氏は就業中の身、秋になればまた無断欠勤の日々が始まる

 

 

日本一下世話で、日本一オモろい、エロい。

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本稿は裏モノJAPAN2000年7月号に掲載された記事をWeb版に再編集したものです。

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201607

 

 

 

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