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ノミ屋もあればシャブもある。出所者のサポート施設はとんでもない男の集まりだった
2016.5.22

 お恥ずかしながらつい最近まで、関西方面の刑務所に入っていた。しょうもない詐欺をやらかした結果、仕事も家族も何もかもパー。我ながらアホとしか言いようがない。
 これから何を手がかりに社会復帰すればいいのやら。刑所の看守に相談したところ紹介されたのが大阪のその場所だった。
『W会』
 刑務所から出ても行く場がないオレのような人間に対し、出所後3ヵ月間、三食と寝る場所を無償提供してくれるサポート施設だ。これ幸いと門をたたいたのだが…。

W会

自分の身は自分で守ってください

 晴れて出所日。Wスタッフが刑務所まで迎えにきてくれ、施設へ向かった。
 辿り着いたのは、学生寮みたいな建物だ。聞けば元受刑者の男ばかり100人が暮らしているという。
 部屋は個室が用意されており、テレビも見れるしタバコもオーケー。夜10時の門限はあるが、申し出れば外泊もできる。刑務所から出てきたばかりの人間にとっては夢のような環境だ。
「朝昼晩、ゴハンは食堂で出ますので」
「わかりました」
「それと、くれぐれも自分の身は自分で守ってください。ここは外部の人間は入れませんが、いろんな誘惑がありますんで」

 どういうことやろ。ホモでもいるんかな?
 初日の晩、食堂でメシを食っていると、人相の悪い男が寄ってきた。
「今日、出てきたん?」
「そうやけど」
「あんた、競馬やる?」
「バクチ?」
「そうそう。競艇でもいいし、プロ野球もあるんやけど」
 なんとこの施設内でノミ屋を開設しているらしい。こんなヤツいるんや。
 また別の男が近づいてきた。
「刑務所どちらでした?」
「○○やけど」
「ふーん。こっちです?」
 相手は左手の中指と人差し指を、親指とすりあわせる。刑務所で受刑者がよく使う、覚せい剤のサインだ。
「ほしかったらいつでも言ってくださいよ」
 シャブ売ってるやつまでいるとは。いろんな誘惑ってのはこういうことか。

トイレに落ちていた注射器

トイレに落ちていた注射器

 

 

いいバイトあるんですけど、どうですか?

 W会にいられる期間は3ヵ月。オレはとにかく仕事を探そうとハローワークへ通い始めた。
 しかし、W会の環境が邪魔をする。
「ニーちゃん、仕事なんかやったらあかんで。生活保護もらえんようになるで」
 住人の大半にこんなことをささやかれるのだ。
 そもそも彼らは、まともに社会復帰しようなんて気はさらさらない。
 特にヒドイのがシャブの蔓延だ。便所の窓から双眼鏡で外を眺め続けているシャブ中がいれば、シャブが効き過ぎたのか、3階の非常階段から電柱に飛び移った輩もいる(大けがをしたうえ、仮釈放取り消し)。アイスピックでコンビニ強盗をやらかしたシャブ中は、パクられて塀の中へ逆戻りだ。
 シャブとは関係ないが、洗面所でコイン乾燥機から100円玉を抜いている小悪党もいた。さすがと言うべきか。
 オレも売人には何度となく声をかけられた。
「どないですか? ここの生活には慣れましたか?」
「そやね」
「中島さん、シャブはいきませんのやろ?」
「やらんやらん」
「じゃあ、ちょっといいバイトあるんですけど、どうですか?」
 仕事はシャブ売りの手伝いで、西成で携帯番号を書いた紙を客に渡すだけ。夕方から5時間で2万円もらえるのだとか。ヤらんわ!
 こんなところに長くいては自分もいつ足を踏み外すかわからない。予定の3ヵ月を待たず、仕事が決まったオレはW会を出た。

 

 

 

日本一下世話で、日本一オモろい、エロい。

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本稿は裏モノJAPAN2013年8月号(スマホで簡単なDMM版はコチラ)に掲載された記事をWeb版に再編集したものです。

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