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なんで三度も現場に戻ってきたんだよ!? オレたちが捕まえたナメまくりのコンビニ強盗
2016.5.15

次から次に卵を投げつけてきた

 平成13年2月の深夜1時、名古屋市某所。バイト先のコンビニで、オレは店番を後輩の冬橋に押しつけ、バックルームで休憩タイムを楽しんでいた。
 舌なめずりをしつつ、賞味期限切れの弁当に手を伸ばす。これこれ、これだよと、ハンバーグを口に放り込んだ、そのとき。
『ビリリビリリリ』
 お、おい! なんで警報(レジの下にボタンがある。店内には間こえない)が鳴ったんだ!?
 慌てて防犯カメラを覗けば、店には男性客が2人。1人は日本人だが、もう1人は外国人のようだ。
「あの外国人、ちょっとアヤシくないですか」
 レジに駆けつけたオレに、冬橋がソッと耳打ちしてきた。
「さっきからなんか動きがヘンなんですよ」
 言われてみれば確かに、周囲を伺ってるような目つきだ。心なしか雰囲気も緊張気味。これは気を付けた方が良さそうだぞ。
 日本人の客が店を出ていったところで、計ったようにヤツがレジに近づいてきた。
「コレクダサイ」
「は、はい!」
 スパゲッティ1点、コーラ2点…。警戒しつつ、商品をレジに通す。

 と、突然、ヤツが陳列棚へ走り出す。
「ウオオオオオオ」
「うわ、な、なんだよ」
 卵パックを手に取るや、封を破り、中の卵を次から次へと投げつけてきやがった。

 なんだ、コイツ、子供かよ。

 呆れ返った一瞬、ヤシが1200円分の商品が入ったビニール袋をかっさらい、勢いよく店から飛びだした。ヤラれた!
 叱嵯に後を追ったが、逃げ足の速いこと。結局、200メートルほど行ったあたりでフリきられてしまった。

 

ドロボーだ~ 誰か止まってくれ!

「先輩、大丈夫ですか?」

 店に戻ると、冬橋が心配顔で駆け寄ってきた。
「ああ、警察には連絡したか?」
「いえ、まだ…。それより表の駐車場のシルビア、エンジンがかけっぱなしなんすよ。ドライバーはどこにも見あたらないし、なんかオカシクないすか」
 …ひょっとしてヤツのか? 逃げるのに夢中になって、うっかり乗り忘れた…んなワケねえか。
 半信半疑、冬橋と2人で車を店の真正面に移動し、キーを差したまま(なぜか抜けなかった)エンジンを切る。まさか取りに来るとは思えないが、念のためだ。
 果たして、そのまさかが起きた。冬橋を店に残し、自衛用のゴルフパターを持ちつつ、1人で駐車場を張っていたら、再びヤツが現れたのだ。ちくしょう、とことんナメ腐ってやがる!
「アレボクノクルマ、キーカエシテー!」
「なんだと〜、その前に金返えや、この野郎!」

 もみ合いながら2人して店の中になだれ込むと、すぐさまヤツが電話機のコードを引きちぎった。警察には電話させないハラか?
 こうなったら、ヤツを店の外におびき出して、そのスキに冬橋に通報させるしかねーか。
「オラオラ、オマエのキーはここだぞ」
「ナニ〜!」
 外に出て、大声で叫ぶオレに、狙いどおりヤツが追っかけてきた。しめしめ。
 コンビニから100メートルほど離れたところで、オレは道路に飛び出した。
「ドロボーだ、ドロボー、誰か止まってくれ!」
 1台、2台、3台…。一向に止まらぬ車に、じりじりしながら背後を振り返る。…いねえじやん、アイツ!

 

面倒臭いから不起訴

 再び店に戻ると、例によって心配顔の冬橋が近づいてきた。

 書察には連絡したらしい。あと5分もしないうちに到着するとのことだ。
「それよりアイツ、またこっちに戻ってきたんですよ」
「なんだと〜?」
「カギが付いてることに気づいたみたいで、そのまま車に乗って逃げちゃいました」
くそ〜、どこまでナメてやがるんだよ!
しかし、ヤツはさらにナメきっていた。その後、1人で店番(冬橋はバックルームで防犯カメラの映像をチエックしていた)をしていたところ、なんとガラス越しに店の中を覗いてきやがったのだ。このヤロー!
 …いや、あせるなあせるな。もうそろそろ警察が来るころだ。ここはヘタに動かずに、到着を待った方がいい。
 気づかぬブリをしながら、何喰わぬ顔で店番を続けること3分、表通りにパトカーの赤いランプが見えた途端、オレは弾けるように表通りに飛び出た。
「おまわりさん、コイツです。早く、早く捕まえて」
 警官3人に追いかけられたヤツが、ようやく逮捕されたのは5分後のことだった。

 

 

 

 

 警察の話では、ヤツは日系ブラジル人で、酔った勢いで犯行に及んにだらしい。

 最後店を訪れたのは「謝ろうと思った」からだそうだ。ちなみに、この事件は「面倒臭い」とのオーナーの意向によって不起訴。オレと冬橋は、「指定のユニフォームを着てなかった」と本部から散々お叱りを受けた…。

コンビニ強盗

 

 

日本一下世話で、日本一オモろい、エロい。

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本稿は裏モノJAPAN2003年8月号に掲載された記事をWeb版に再編集したものです。

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201606

 

 

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