ピックアップ
探偵は見た!ベットに縛りつけ、保証金を搾取。ある「特別養護老人ホーム」の恐るべき錬金術
2016.5.12

「極秘で調べてほしいことがあるんだ。他言無用で頼まれてくれ」

 知人を介し、ある県議会議員からの調査の依頼が入ったのは今年2月のことだ。彼は選挙公約として掲げた特別養護老人ホームの設立を現実のものとし、地元では有限実行の政治家として人望の高い人物である。

 依頼を受けた俺は、すぐさま彼が理事長を務める特養老人ホームに駆けつけた。すると、

「恥は承知だが、どうしても追い出したい理事がいるんだ。ぜひ、キミの知恵を貸してくれ。」

 市議が腰を折り、深ぶかと頭を下げる。オレはその真意もわからぬまま、首を立てに振っていた。

 

食事は1日300円。お風呂は週に一度

 “特養”こと「特別養護老人ホーム」は、介護認定で要介護度が1から5とされた65歳以上の人を受け入れる老人ホームだ。

 国や地方団体などの公的資金で運営されるため、月々の費用は食費を入れてもおよそ6万ほど。民間の施設が何十万とかかるのに比べれば格段に安い。

 確かに痴呆症になっても寝たきりでも、自分の親なら面倒をみたいと思うのが人情だが、それにも限界がある。よって、入所希望者は殺到し、一日だけ預かるデイ・サービスや、2、3日のショートステイ・サービスも順番待ち。ホームは常に満杯だという。

 しかし調査を行うにあたり、市議から事情を聞いてビックリ。実態はとんでもないことになっていた。

 まずこの市議が20年も年下の愛人に所内の喫茶部をまかせ、その所得を申告していないのだという。

「実はそのことを出入りの不動産屋に知られ、ばらされたくなかったらオレを理事にしろと言ってきて・・・」

 クビにしたい相手とは、その不動産屋の山川だ。

「私が不在がちな事をいいことに、やりたい放題なんだ」

 5年前、理事長室に自分の机を持ち込んだ山川は、まずそれまでの出入り業者を差し止め、自分の域のかかった連中を使い出した。

 結果、1人1日800円だった食費は300円に抑えられ、症状に応じた個別のメニューは全部おかゆに。業者には800円のまま請求書を出させ、差額はすべて山川の懐に入った。

 週3回だった入浴も週1になり、さらに2日に1回交換していたシーツ類などは、1ヶ月間使いっぱなし。それどころか汚してもいない入所者にまで、おねしょをしたと別料金を請求する。おまけに車椅子や介護ベットなどの代金は踏み倒すのが当たり前でというのだからたちが悪い

「私が何度警告しても、逆に脅されるのが関の山で」

 特別養護老人ホームが閉鎖にでもなれば、あふれた老人を吸収できる施設はない。仕方なく市議が根をまわし、監査日だけ規定の看護士や車椅子などをかき集め、入居者の身の回りを清潔にしておくそうだ。

 

動き回らないようにベットに縛り付ける

「ちょっと中をみますか」

 市議に通され、所内を回る。大型テレビのおかれた談話室には誰もおらず、看護士の姿も見当たらない。90人もの年寄りが住んでいるなんて信じられない静けさだ。

「ここに入ってみましょう」

 2人部屋をノックしてみたが返事はない。そっと中をのぞくと昼というのに2人ともベットの中だ。

「特養の入所者は家族が面倒を見切れない要介護認定者なんだよ。多いのは痴呆症で、このおばあちゃんもそう。以前は介護士がつきっきりで面倒を見ていたのに、山川はそれを人件費がかさむって動き回らないようにベッドに縛り付けている」

 うーん。いくらなんでもこれはないだろう。こんな姿を見たら、家族は連れて帰るんじゃないか。

「いや、面会が来たら玄関で足止めして、その間に車椅子に乗せて迎えに行くから家族は実情なんてわからない」

 シーツや寝間者も取替え、いかにも大事に世話していますよと体制を整える。

「ただ、ここまでは大なり小なりどこのホームでもやっていることで、うちが特別ってわけじゃない。しかし山川は入所者の金に手を出し始めたんだ」

 入所に際しては、100万円の保証金をホームに預けるのが決まりになっている、例えば、暴れて備品を壊すなどの場合にはそこから支払われる。

 といっても入所者の平均年齢は80歳で、退所するときは死ぬか病気になったとき。ホームにいるのは長くても4、5年の間で、特別なことが無い限り70、80万は残る。

「山川はそこに目をつけたんだ。仲のいい業者に請求書を書かせて好き勝手に使い込んでいるので、挙句、退所となったら『ホームに寄付します』って書類に捺印させる」

 遺族にすれば自分達が放り出したじいさんばあさんを死ぬまで面倒みてくれたホームである。後ろめたさもあり、カネを返せとは言いにくい。

「帳簿をみると、ヤツは年間800万近い金を独り占めしている。最近、うちのことが“姥捨て山”なんて噂になっているし、事が公になる前に手を打たないと」

 オレはとりあえず、理事長室に盗聴器を仕掛けることを提案してみたが、正直言ってこの仕事、まったく気乗りしない。そりゃ山川も悪いが、市議だって老人を食い物にしているのは一緒じゃないか。

 あーあ、たとえボケたとしてもこんな老人ホームにだけは絶対、世話になりたくない。息子達に、今からよーく言い聞かせておこう。

特別養護老人ホーム

 

 

日本一下世話で、日本一オモろい、エロい。

月刊裏モノJAPANの記事を読みたい方は

スマホで超カンタンな以下のサービスから!

 

フジサンマガジンバナー

DMMアイコン

Kindleアイコン

 

 

TOPページへ戻る

 

 

見ればガチで素人娘だとわかります

裏モノJAPANの大人気企画『おじゃマン』女の子のインタビュー動画がサービスで見れちゃう!

オンライン書店のFUJISANマガジンサービスよりご注文受付中です♪

※動画は1月24日発売の2016年3月号から

FUJISANおまけ1

FUJISANおまけ22

 

 

最新刊
  • 雑誌オンライン
  • フジサンマガジン
  • ガチスタプラス