MCTオイルを使ったダイエットが流行中だ。
MCTオイルとは、ココナッツオイルやヤシ油などにふくまれる中鎖脂肪酸の略。他の脂肪酸よりもエネルギーとして消費されやすく、減量に役立つのだという。
畠山医師の「驚異のMCTオイルダイエット」によれば、MCTオイルが体脂肪を燃やしてくれるので運動はいらず、お腹もすかずに2カ月で10キロの減量に成功するという。
これは事実なら、まさに夢のようなダイエット法だが、果たして科学的な根拠はどれだけあるのだろう?
A.ダイエット効果はあるが体脂肪が燃えるわけではない
MCTオイルのダイエット効果については、2015年に決定的な論文が出ている。MCTオイルに関する749件のデータを精査したメタ分析で、科学的な信頼度は最も高い。
その結論は以下のとおりだ。
『過去に行われた実験データを総合すると、普段の食事に使う油を長鎖脂肪酸からMCTオイルに変えた場合は、明確に体重・体脂肪・ウエストサイズを減らす効果が見られた』
つまり、普段の料理に大豆油やオリーブオイルを使っている人は、調理油をMCTオイルに切り替えると、体重が減りやすくなるわけだ。
ここで大事なのは、MCTオイルが体脂肪を燃やしてくれるわけではない点。あくまで「MCTオイルは他の油にくらべて脂肪として付きにくい」だけで、使えば使うほど痩せるわけではないのだ。 実際、2008年にコロンビア大学が行った実験でも、いくらMCTオイルを使おうが、結局は摂取カロリーを下げないと体重は減らないとの結論が出ている。「MCTオイルで体脂肪が燃える」という表現は間違いだ。その点をふまえて上手く使おう。
本稿は信じたらカラダを壊す有名健康法100に掲載された記事をWeb版に再編集したものです。
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