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送りドライバーになって住所を割り出し…。キャバ嬢をピンポイントで狙う空き巣犯の狡猾な手口!
2016.4.9

 20代のころから断続的に空き巣を繰りかえしてきた俺が言うのも何だが、この犯罪はあまりにも効率が悪い。
 苦労して他人の家に忍び込んだ結果、運良く100万円をゲットできる一方で、10円の収獲しかなかったなんてケースもままあるからだ。背負うリスクは、まったく等しいにもかかわらず。
 だったら最初から金持ちの家をピンポイントで狙えばいいというのは、シロートさんの浅はかさだ。ああいう連中の邸宅はセキュリティが万全で、立派な窃盗団ならともかく、俺のようなフリーターと兼業のしがない空き巣が太刀打ちできるもんじゃない。
 ああ、どこかに小金持ちでガードのゆるい人間がいないだろうか。でもって、そういう連中の住所をまとめて知る方法があればいいのに。

 そんなことをボンヤリと考えていた矢先、打ってつけの話を小耳に挟んだ。むかし、複数のキャバ嬢と付き合った経験を持つその知人が言うのである。
「キャバ嬢の部屋って、ドロボーにとっては宝箱みたいなもんだよ。給料は現金支給だから家に大金を置いてることが多いし、そこら中にブランド品も転がってるしさ」
 ほう、ほほう、宝箱とな。

 

ターゲットは1店につき1人に

 後日、俺は地元の繁華街にある1軒のキャバクラを訪ね、そこのスタッフと面談した。この店が出していたドライバーの求人に応募したのだ。
「業務は簡単です。仕事上がりのキャスト(キャバ嬢)を自宅まで送り届けるというもので、時給は1500円。使用する車は持ち込みという条件ですがいかがでしょう?」
 職務内容や条件などどうでもよい。俺の真の志願理由は、キャバ嬢の自宅を突き止めること。すぐに働かせてもらうことにした。
 さらに、それぞれ別の繁華街にある3店のキャバクラでも同様にドライバーの職を得ることにした。後々、空き巣に入るにしても、同じ店の女の子ばかり狙うと、店の関係者の犯行だとバレてしまうからだ。ターゲットは1店につき1人に絞るべきだろう。
 以後、しばらくはマジメにドライバーの仕事に精を出した。各店に週1、2回のペースで出勤しては、車内で交わされるキャバ嬢たちの話に耳を澄ませる。聞きたいのは、
「今月の○○ちゃんの給料さ、絶対1本(100万)は行ってるよね」
 といった稼ぎに関することや、
「なんか○○ちゃん、いま男と同棲してるっぽいよ。ヒモみたいなヤツで、ずっと家でゲームしてるんだって」
 という生活環境についての情報だ。ターゲット選びには欠かせない材料となる。
 むろん、他にも知りたいことは色々とあるが、ドライバー風情が根掘り葉掘り質問するのはいかにも不自然だし、そういう軽率な行動はあとあと疑いをかけられるキッカケにもなりかねない。とにかく黙々とハンドルを握りながら、機が熟すのを待つとした。

 

マットレスの下から現金300万が!

 およそ2カ月後、各店のターゲットが決定した。いずれも店のナンバー3以上の人気嬢で、かつ、マンションでの1人住まい。さらにそれらの住所を管轄する警察署も、すべてバラバラになるよう配慮した。これで同一犯の犯行を疑われることはまずないだろう。
 準備が整ったところで、すべての店でドライバーを辞めた俺は、2カ月のインターバルを取った後(この間、次のターゲットを見つけるため、また別のキャバクラでドライバーをしていた)、空き巣を決行した。タイミングはもちろん、4人それぞれの給料日直後の出勤日だ。
 マンションへの侵入については詳細を省くが、いわゆる空き巣が使う常套手段で難なく成功した。
 では成果を報告しよう。
 1軒目は居間のガラステーブルに無造作に置かれていた現金5万、シャネルの使い古したバッグが2つ、あとは指輪などの貴金属が少々。いきなりのショボイ結果にがく然としたものの、2軒目で大当たりを引いた。おそらくタンス預金のつもりなのだろう、なんとベッドのマットレスの下に300万の札束が隠されていたのだ。うひゃー、やったぜ!
 さらに3軒目では、クローゼットに入っていたバッグから120万の現金と20万円分の商品券が。おまけにテレビ台の引き出しからは、男モノのロレックスが2つ。
 最後の4軒目は現金こそ2万ほどしか見つからなかったものの、タンスからブランド品の小物や未使用の高級ゴルフクラブなどがゴロゴロと出てきた。
 てなわけで4軒の空き巣で手にした総額は450万以上。もはや効率がイイというレベルをはるかに超えた成果といえよう。うーん、シビれたぁ〜。
      ★
 驚くべきことに、数カ月後に実行した2度目の空き巣でも、わずか3軒で300万近い収獲があった。こうなった
ら行くとこまで行くしかないと言いたいところだが、すでに前科が2つもある身で、そこまでの勇気はない。悪事に走るのは、ここらでやめておこう。

 

 

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本稿は裏モノJAPAN2013年11月号(スマホで簡単なDMM版はコチラ)に掲載された記事をWeb版に再編集したものです。

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