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カラオケBoxで知り合ったヤクザにムリヤリ【部屋住み】させられて…
2016.6.24

 暴走族やチーマーがヤクザの組に“就職”するのはよくある話だが、普段の生活でヤクザとは何の縁のない一般人が組員になるケースは相当珍しい。かくいうオレはひょんなことからその珍しいコトをしてしまった人間である。

 

落としモノを探しただけで寿司に酒、ソープ?

 地元暴力団の幹部、イワタと出会ったのは2年前のこと だ。その日、オレは友人のユウジと街へナンパに繰り出すも失敗に終り、半ばヤケクソ気分でカラオケボックスへ出 かけた。

「おい、お前ら。ここに置いてあったオレのカバン見なかったか?」

 30分ほどたったころ、いきなりオレたちの部屋に男が入ってきた。真つ赤なアロハシャツにジーパン、長めのパンチパーマに口ひげという出で立ち。イワタの第1印象は、若頭というよりも同い年くらいのチンピラにしか見えなかった。

 突然の乱入者に気分を害されたオレたちは当然「知らねぇよ」とこれを無視。再びマイクを握ろうとした。そのときだ。

「知らねーはずはねーだろ! さっきまでオレはココにいたんだよ。一緒に探さんかい、コラ!」

 イワタがキレた。すっかり ビビリまくったオレたちは、 慌ててカバンを探すのを手伝ったが、いくら探しても出てこない。

「オレ、もう一度、クルマを探してくるから」

 そう言って部屋を出たイワタが、バツの悪そうな顔で戻ってきたのはその5分後だ。

「いやぁ、ワリィワリィ。車の中にあったよ。怒鳴っちまって悪かったな。おわびにメ シでも奢らさせてくれや」

 イワタはオレたちを半ば無理矢理ベンツに乗せた。そして、まず寿司をたらふく食わせた後、ホステスのいるバーに行きへネシーボトルで再びカンパイ。

 さらに「女抱かせてやる」 と、ソープまで連れていってくれた。いやぁこんなラッキーがあっていいものか。

 別れ際、イワタが名刺を差 し出して言った。

「そういえば、お前ら仕事探してるって言ってたな。仕事くらい、いくらでも回してやるから明日にでもオレを 訪ねて来いや」

 和紙でできたその名刺には、極太の漢字でこう書かれてあった。

「4代目〇〇組 若頭 岩田順治(仮名)」

 

「サカズキだと思って 飲んでくれや」

 翌日、オレたちはイワタの組事務所に出かけた。誘いを断ったら何をされるかわかったもんじゃない。

 足取りも重く、雑居ビルの 1フロアへ。恐る恐るノックをすると、まだ10代と思われる坊主頭の組員が出てきた。

 名刺を見せると、黙って中に引き入れる。事務所内には“任侠”と書かれた大きな額や組の名前が入った提灯が並 んでいた。

 奥に、椅子に足を掛けた男が1人。イワタだ。

「よーぉ、昨日はすまなかったな。そこに座ってくれや」

 彼は立ち上がってオレたちを迎えた。が、ソファには組員の一人が被って寝ているので座ろうにすわれない。

「おい、お客だ。起きろ!」

 ケリを入れ、組員を叩き起 こすイワタ。靴をはいて起きあがった男はランニング姿で肩から腕にかけて入れ墨が入っていた。

 ビビリまくるオレたちをよそにイワタが自らコップにジュースを注ぎ、オレたちの前に差し出した。

「オレはこんなこと滅多にし ねぇんだけど。サカズキだと 思って飲んでくれや」

 ギャグで言ったつもりだろうがまったく笑えない。これでオレたちはヤクザの組員、つまりイワタの舎弟ってことになっちまったのだろうか。

「2、3日はお前ら、ココで遊んでりゃイイから。その間にオレが仕事探してやっからよぉ」

 こうして事務所に居候する ことになったオレたちだったが、「遊んでろ」と言われて、 そのとおりできるほど神経はズ太くない。

 オレたちは自ら申し出て、彼の舎弟シンジの雑用を手伝うことにした。

「じゃあ、便所掃除からやっ てもらいましょうか。手を抜くとアニキたちがウルサイっすよ」

 言われたとおり、便所掃除から、買い出しなどに手を貸す。これがヤクザの世界で言う修業つまり部屋住みってやつなのか。

 その間、イワタと何度か顔を合わせると、彼は「おぅ 頑張ってるな。お前らの就職先を探してるから、もう少し待ってくれや」と、オレたちに小遣いをくれるのだった。

 

工場の雑用仕事はタダ慟きだったのか

 事務所に来て4日目の朝、 イワタがオレたちをクルマに乗せ、組長の知り合いであるオガワというオヤジの元をおとずれた。

「昨日、話した2人ですよ,よろしくお願いします」

 なんだなんだ。ナニをやら せるんだよ。

「じや、今から職場を案内するから」

 車に乗せられ着いた場所は、〇〇製作所というテレビをやってる一流企業の工場。てっきりそこの社員に混じってラインの仕事をやるのかと思いきや、ゴミをかたずけたり、 敷地内の草むしったりする、いわば雑用の仕事だとい う。

 そこではオレたち以外に3人の人間がすでに働いていた。10代のヤンキー崩れ2人と40 過ぎのこれまたワケありのオヤジである。

 連中は敷地内にあるプレハブ小屋で寝泊まりしていたが、 オレたちは自宅から通うこと許された。

 仕事は思ったよりラクだった。時間内でずっと作業を続けるワケでもなく、適当に動いていれば何も言われない。最初こそ緊張していたものの、3日もたつと手を抜くコツもわかってくる。

 働き始めて10日間ほどたった頃か。

「もう、工場に行くのはやめないか? 給料も貰えるかどうかわかんねーし」

 ユウジがそう切り出した。 まったくオレも同感だ。バイ卜のカネについては何も聞か されていなかったのだ。

 が、あくまでヤクザ経由の仕事である。「オトシマエつけるなら、指詰めんかい」と言われてもおかしくない。

 月曜日、オレたちは意を決 してオガワを訪ねた。イワタと違い、話せばわかってもらえると思ったのだ。

「無責任なヤツと言われても仕方がありませんが、これ以上、仕事を続けられません。申し訳こざいません!」

 オレたちはオガワに深々と頭を下げた。

 彼は、「そうか、仕方ねぇな…」と、言うと、 オレたちの目の前で電話をかけた

「あっ、いわやん?(イワタ のことだ) 例の2人だけど、辞めたいって言ってんだよ。 まぁ仕方がないわな。もっと若いヤツでないとダメかあ。うん、うん…わかった。それ じゃあな」

 一体、何を話しているのか 不安になったが、オレたちはそのまま解放された。

 怒り狂ったイワタがオレたちを狙っているのではないかと一ヶ月ぐらいはビクビクしていたものの、不思議なことに何も起こらなかつた。こう して約2週間という短い期間だったが、オレたちのヤクザ生活は幕を閉じた。

 果たして、一流企業の◯◯製作所とオガワやイワタはどんな関係だったのか。オレたちのカネはどうなるハズだったのか。今となってはわから なぃ。

 先日、◯◯製作所の前をたまたま通りかかったが、プレハブ小屋はすでになくなっていた。確たることは言えないが、まぁ、命があってよかったとだけは激しく思う。

部屋住み

 

 

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日本一下世話で、日本一オモろい、エロい。

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本稿は裏モノJAPAN2015年10月号(スマホで簡単なDMM版はコチラ)に掲載された記事をWeb版に再編集したものです。

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201510

 

 

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