アンダーグラウンド
サクラの高設定台を横取り! パチスロ究極の必勝法を続けていた 相棒が行方不明になっちまった
2016.2.13

 裏モノJAPAN2012年6月号で、パチスロの必勝法(大手パチチェーン「エ●パス」で可能な、閉店5分前のハイエナ戦法)が紹介されていたけど、1日に数千円しか勝てないってのは、やっぱり物足りない。
 その点、俺の必勝法はスケールが違う。ちゃんと手順どおりにやれば、一度に15万、20万の大勝も夢じゃないんだから。
 と、大風呂敷を広げておいて言うのもなんだが、いま現在、俺はある事情によってその必勝法を封印している。あまりにもおっかなくてやる気が失せたというか…。

 

サクラより先に設定6の台を取る

 パチスロの世界にはサクラが存在する。といっても、よく雑誌の広告やネットで公に募集されているものではない。あれは保証金の名目で応募者から金を巻きあげるためのサギだ。
 ここで言うサクラとは、ひっそりと内密に雇われているサクラのことだ。

 店長や幹部クラスと私的な付き合いのある人間、もしくはその人間を通じて集められた連中が、あらかじめ店側から教えられた設定6のスロット台(もっとも出玉率が高い)に座り、ひたすらメダルを吐き出すのだ。これにより他の客の射幸心をあおり、かつ、儲けの一部を店長へキックバックするのだ。
 肝心なのは『サクラはあらかじめ、打つ台を指定されている』ということ。

 つまり連中が座ろうとした台をさっと横取りしてしまえば、がっぽがっぽ稼げてしまうのでは?毎日スロットを打っていれば、サクラっぽいヤツは自ずとわかってくる。

 次の4つのうち2つ以上に当てはまれば疑いはかなり濃厚だ。

 

 

◆たまにしか店に現われないのに来れば必ず大勝ちする

説明不要だろう。あらかじめ設定6の台を知っていなければ不可能な芸当だ。

 

 

◆ハマっていても躊躇なく追加投資する
スロッター心理として、3万を突っ込んで当たりが出なければ、焦りの表情がアリアリと出るのが普通だ。にもかかわらず余裕の態度で打ち続けるのは、その台が高設定とわかってるからに他ならない。

 

 

◆会員向けメールに告知された狙い機種に興味ナシ

パチ屋の会員向け配信メールには、時々、翌日どの機種に設定6の台が紛れているかを暗にほのめかすような文章が書かれている。

そんなとき、常連は開店と同時にその機種のあるシマへ殺到するが、迷わず別機種のシマへ流れていく者もいる。

そういう客ははじめから打つべき台を指示されているからと推理できる。

 

 

◆初めて見る客が深夜から開店行列に並んでいる
深夜から場所取りをする連中は筋金入りのスロッターで、顔触れはいつもほとんど同じだ。

そこへいきなり見知らぬニイチャンがやってくるのは不自然だし、前日に店にいなかったのであれば、狙うべき台もわかるハズがないのでさらに怪しい。

サクラ台を確実に取るべく、深夜にやって来たと考えるのがスジだろう。

 

 

 以上の知識を武器に、俺がサクラ台の横取りをはじめたのは去年の冬だ。場所は東海地方の某店。相棒はそこで知り合ったパチプロの永井(仮名、29才)だ。
 横取りの手順はこんな感じだ。

 まずは開店前の行列で、サクラ疑惑の男をマークし、店が開くと同時に相手の背後に密着。サクラは台番号を確認しながら歩くので、ピタッと足が止まった瞬間にすばやく先に台に体を入れる。ただこれだけだ。
 もちろんサクラは毎日いるわけではないが、発見したときは必ずといっていいほどカモにした。設定6の威力はさすがで、獲得メダル数は平均6000枚(12万円。レートは等価交換)を下回ることはなかった。

パチスロサクラ

イラスト・清野とおる

 

 

コワモテを無視した相棒の消息が・・・

 バラ色の生活に、突如、暗雲が立ちこめたのは、横取りをはじめて3カ月が過ぎたころだ。いつものようにサクラを出し抜き、トントントンと軽快にベルを揃えていたところ、誰かが俺の肩を叩いた。
「俺のツレをいじめるの勘弁してくんねえかな」
 振り向けば、見るからにヤクザチックな男が眉間にシワを寄せて立っている。わざわざ聞かずとも男の正体はなんとなくわかった。サクラの元締めだろう。
「仲良くやろうや。そろそろツレに台をゆずってくれよ」
 むろん、こいつの言うことをきく義理などひとつもない。むしろここで揉めて警察沙汰なんてことになれば、困るのはヤツや店側のハズだ。
 が、俺は飛び上がるように台から離れた。
「あ、どうぞどうぞ」
 バックにどんな組織が動いてるのか知る由もないが、こんな凶悪そうな男が出張って来るからには、ややこしい連中であるのは確か。これ以上ケンカを売るマネは避けたかったのだ。
 ところが、俺と同じくコワモテに詰め寄られた永井は、予想外の行動に出た。

 男に毅然と言い返したのだ。
「なんで俺が取った台を渡さなきゃイケねえんだよ。この台じゃなきゃダメな理由があるなら言ってみろよ!」
 幸い、駆けつけた店員が仲裁に入り、コワモテはあっさり引き下がったものの、完全にブルった俺は、その日を境にすっぱりと横取り行為から足を洗ったのだった。
      
 それから1カ月後、永井は消息を絶った。

 あの事件以降も、ヤツは相変わらず横取りを続けていたのだが、ある日、急にパチ屋に姿を現わさなくなり、電話もいっさい通じなくなったのだ。

 他に永井のプライベートな事柄を知らない俺にはこれ以上、どうすることもできない。にしてもいったい、ヤツの身に何が? 思い当たるフシはあのコワモテ男の一件以外にないのだけど…。 

 

 

本稿は裏モノJAPAN2012年5月号に掲載された記事をWeb版に再編集したものです。

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裏モノJAPAN201210

 

 

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