アンダーグラウンド
酔った女をビルの物陰でヤリ逃げしようとしたらカネを請求され 「私のこともイカせて」 これってオイシイ?痛い?
2016.2.11

 人間、生きていれば理解不能な出来事に出くわすことも珍しくない。

 それが自分にとってオイシイ思いならラッキーだが、逆に痛い一傷になることも多々ある。では、3カ月前に出会ったあの女は、どっちだったか。

 あの晩、地元の居酒屋を出たオレは、そぼ降る雨の中、人気のない繁華街を彷徨い歩いていた。

 4年も暮らした女が部屋を出て行ったのは2週間前。自分ではフッ切ったつもりだったが、どうにも家に帰る気になれなかった。

 通りの半ばまでさしかかったところで、酔いつぶれた若い女を見つけた。こんな夜中に無防備な。そう考えた瞬間むくむくと欲望がせり上がってきた。

「……ヤッちゃうか」

 あれだけ正体を失ってたら抵抗もできんだろう。オレは正常な感覚を無くしていた。

「警察だけど、ダメだよ。こんなとこで寝てちゃ。ちょっと一緒に来てもらえるかな」

「すいませ~ん」

 疑いもなく付いてきた女をビルのモノ陰に誘い込み、いきなり唇を奪う。思ったとおりだった。

 最初に軽く抵抗したきり、あとはなすがまま。レイプという言葉すら忘れるほどの簡単さだ。ズボンを直していると、突然、女が大声を張り上げた。

ビル

「こんなことしてタダですむと思ってないでしょうね!お金、お金ちょうだい!」

 さっきまで自分から感じてたくせに、どうして急に怒り出すんだ?

 ていうか、レイプされて金かよ。どんな頭の構造してんだ、この女。

 いや、待て待て。確かテレビの法律番組で、レイプをしても、相手が金を受け取った時点で合意になるって言ってたよな。

「……わかった。いま手持ちがないから、下ろしてくるわ」

「……」

「そんな怖い顔すんなって。約束は守るからさ」

 近くのコンビニで金を引き出し、すぐに舞い戻る。

「これ、少ないけど」

 1万円を渡した瞬間、女は予想もしない行動に出た。

「本当に戻ってきてくれるなんて…。うれしい!」

 壁際に俺を押し付け、ズボンのチャックを下げ、ディープキスをしてきたのだ。

 ど、どうした!?

「私のこともイカせて!」

「ちょ、ちょっと待てって」

 彼女を落ち着かせてるうち、会社の上司から連絡が。トラブルがあったらしい。

「ごめん急な仕事が入っちゃってさ。すぐ戻ってくるから携帯番号教えといてよ」

 名残惜しそうな彼女を残し、オレはタクシーに乗り込んだ。話は以上だ。

 果たしてこの体験、オイシイのか否か。あれから3ヶ月、オレは未だに彼女に連絡できずにいる。

 

 

 

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本稿は裏モノJAPAN 2004年7月号に掲載された記事をWeb版に再編集したものです。

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