テクニック
「私、日本に買い物に来たよ」 爆買い中国人のフリをしてキャバクラ嬢の持ち帰りに挑む
2015.12.24

インバウンド

 中国人観光客が日本の繁華街で家電やブランド品を大量購入する「爆買い」。

 

 

 ひと頃まではどちらかというとセコイ印象が強い人種だったのに、最近は完全に金持ちイメージで、デパートでも量販店でも中国人さまさまだ。店員に「シェイシェイ」とか手もみされたりして。

 

 

 ってことは待てよ。この状況ってオレも利用できないだろうか。そうだ、中国人観光客のフリをすれば…。デパートの店員にちやほやされても仕方ない。目指すはキャバクラしかないだろう。

 

 

 夜。新宿へ。1時間4千円の大衆キャバに入った。

 

 

「ミドリです」

 

 

 付いた女は、高橋真麻似のかわいらしいコだ。

 

 

「ニーハオ、私、ワンね」

 

 

 こんな感じかな、中国人の挨拶って。

 

「中国から買い物に来たよ」
「そうなんですか」

 

 

 彼女がマジマジと顔をのぞきこんでくる。

 

 

「日本人っぽいですよね」
「…それはまあ、アジア人だから一緒よ」
「日本語も上手だし」
「…仕事でよく来るから上手になったよ」
「ふーん」

 

 

 ちょっと違和感は持たれてるようだが、とにかく金持ちアピールしましょう。

 

 

「今日は銀座行って来たよ。爆買いって言われてるね」
「そうなんですか」
「エルメス、ヴィトン、いろいろ回ったね。100万円くらい使ったよ」
「さすが中国の方ですね」

 

 

 いい反応じゃないか。何気に彼女の膝にポンポンと手を置いてみた。

 

 

「中国の男は、美人と出会ったらプレゼント送る」
「ステキですね」
「私、ミドリに何かあげたくなってきた」
「はははっ」
「今日お店何時に終わる? ゴハン食べようよ」
「えっ、まあ、いいですけど」

 

 

 食いつきが早すぎる。金持ちパワーってのはすごいですな。先にキャバクラを出て待っていると、約束したコンビニ前にミドリがやってきた。

 

 

「じゃあ、あなた何食べたいか?」
「焼き肉がいい!」

 

 

 彼女の希望で向かったのは、高級焼き肉屋だった。メニューを見ると頭がくらくらするような金額だ。

 

 

「…中国人、高い肉はあまり食べない」 

 

 

 適当なことを言って注文は少な目にし、再び金持ちトークで攻める。

 

「明日も銀座に行くよ」
「そうなんですか」
「妻がまだ100万くらい買いたい言ってる」
「家族と来てるんですか?」
「そうよ。家族でパークハイアットのスイートに泊まってる」

 

 

 いやー、口からデマガセがどんどん出ますな。頃合を見計らってジャブを打ってみる。

 

 

「でもミドリはかわいい、今夜連れて帰りたいくらいだよ」
「はははっ」
「家族がいるからパークハイアットはダメだけど、どっか連れていきたい」
「マジで?」

 

 

 ちょっと間が空いた。すると彼女が両手をぱっと開いた。

 

 

「これくらい、お小遣いもらえたらいいよ」

 

 

 …10万ってか!?さすがはキャバ嬢、一筋縄では持ち帰らせてくれんな。

 

「…それは中国では売春になるからダメ」
「そうなの?」
「でも愛人なら大丈夫。今日一晩寝てみて、体の相性を見てから契約結ぶ。私、日本にまだだいぶいるから、1ヵ月100万でどう?」
「…それはちょっと信じられないなぁ」

 

 彼女は煮え切らないような表情でニヤニヤ笑っている。心が揺らいでるとは思うけど。まもなく肉がなくなり、スタッフがお茶を運んできた。

 

 

「まあいいです。とりあえずここは出ましょう」

 

 そう言って、お茶に手を伸ばした瞬間、思わず叫んでしまった。

 

「熱ぅ!」

 

 

 湯飲みがめっちゃ熱いじゃねーか。…あれ? 彼女がこちらをじーっと見てるぞ。

 

 

「ほんとは日本人なんでしょ?」
「えっ!?」
「今、熱ぅって言ったし」

 

 

 疑われてる? 表情があきらかにおかしいんだけど…。会計を済ませて店を出ると、彼女がぺこりと頭を下げる。

 

 

「じゃあ、今日はごちそうさまでした」

 

 

 そのままくるりと回れ右して歩き出す。マジかよ? こんなに頑張って中国人アピールしたのに…。もしかしてお茶のハプニングがなければまた違った展開になってた?

 

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