スポット
沖縄のゲストハウスには自分探しの女をちょんの間に沈めるありがたい男たちがおります
2015.12.12

沖縄パラソル

 2年前の夏、バイトで稼いだ金を握りしめて、単身、沖縄へ飛んだ。目的はひとつ。女だ。セックスだ。

 

 沖縄県内には「ゲストハウス」と呼ばれる、ビンボー旅行者向けの安宿が数多く点在している。過去、裏モノでも何度か取り上げられたが、こうしたゲストハウスでは一人旅の男女がひしめき合い、毎晩のように開かれる宴会でたくさんの即席カップルが生まれるのだという。

 

 そんな話を聞けば当然、思う。ゲストハウスで一夏を過ごせば、俺にだってオイシイ出来事が巡ってくるのでは。普段はナンパなんぞ恐れ多くてとてもできない、地味でパッとしないこの俺にも。

 

 しかし、彼の地で待ち受けていた物語は、想像していたものとはあまりにもかけ離れたものだった。今でもよくわからない。あの出来事は俺にとって喜ぶべきものなのか、悲しむべきものなのか…。

 

女ともだちが3人もできるなんて

 期待に胸を膨らませた俺が背中のバックパックを下ろしたのは、沖縄市にあるゲストハウス「T」だ。かつて沖縄に住んでいた友人からプッシュされた古い安宿である。

 

「あそこはいいよ。長期滞在の女が多いし、宿主が宴会好きで、宿泊客はほぼ強制で参加させられるから」

 

 友人の話はマジだった。初日の晩、ゆんたく部屋(宿泊客の共有スペース)で行われた宴会に顔を出してみれば、日に焼けた若い女たちがあちこちに居並んでいる。顔はみなそこそこのレベル。おそらくこの宿で知り合ったのだろうニーチャンたちと、えらく親しげに缶ビールを飲んでいる。俺は内心ほくそ笑んだ。

 

(うは、ケツ軽そ〜。こりゃマジで期待していいかも)

 

 その期待は少しずつ現実のものになっていく。毎晩のバカ騒ぎに参加していると、やがて日中、個人的に遊びにでかける間柄の女友だちができたのだ。それも3人も(沖縄には各自別々にやってきた)。むろん、こんなことは人生初である。

 

 1人は元OL23才。恥ずかしげもなく「沖縄には自分探しのためにきたの」などと言ってのけるイタい女だが、乳がやたらとデカイ。3人のなかでは一応、本命だ。

 

 残りの2人も歳は元OLと同じくらいで、ルックス的には彼女より2段分ほど落ちるものの、いかにもスケベそうな雰囲気を醸し出している。元看護師、元塾講師という肩書きも悪くない。

 

 この3人と、いやせめてそのうちの1人と結合できればバンバンザイなのだが…。

 

結局イケメンばかりいい思いするんじゃん

 滞在5日目の晩、本命のOLを誘い出して、市内の居酒屋に行った。いつまで様子見していてもラチがあかん。今宵が勝負じゃ。

 

 2時間ほど飲んで公園のベンチへ。頃合いを見計らっておもむろにキスをしようとする俺の顔を、彼女はサラリとかわした。

 

「ダメだよ、そんなの」
「なんで? 好きなんだよ」

 

 半ばマジで言ったセリフに、彼女は困った表情をみせる。

 

「ゴメンね。私、好きな人がいるの」
「え、ウソ? 誰?」
「Kさん」

 

 聞いた瞬間思った。ああ、やっぱりそうか。

 

 例のゲストハウスにはもう何年滞在しているかもわからない、ヌシのような4人組の男たちがいる。どいつもこいつもワイルドかつなかなかの男前で、いかにも女にモテそうな連中だ。Kという男もその1人である。歳は30手前といったところか。くそっ、結局イケメンばっかイイ思いするんじゃん。

 

 それから数日後、いつものように宿の宴会に顔を出すと、すでに俺の女友だちが3人揃って飲んでいた。ただし傍らにはKを含む4人のチャラいヌシがどっかりと陣取っている。ひとまず「どうも」と声をかけ、もぞもぞと腰を下ろす俺。

 

「コザにさ、イイ感じのクラブがあるんだけど明日みんなで行かね?」

 

 チャラ男の1人が口を開くと、元看護師が食いついた。

 

「えー行く行く。どんな音楽かかってるの?」
「レゲェだよ」

 

 それに対し、素っ頓狂な声を上げたのは塾講師だ。

 

「いいじゃん。めちゃめちゃ楽しそう〜」

 

 目の前でワイワイ盛り上がる男女の輪を、俺はひとり苦々しく眺めていた。全然話についていけねえんだけど。ち、何がクラブだよ。

 

 蚊帳の外状態はその後も延々と続き、やがてチャラ男たちが当然のように女たちの手を引き、それぞれの自室へ帰っていった。やけにイチャイチャしながら。

 

 ということは、そういうことなんだろう。俺が狙っていた女は、ことごとくヤツらの手に落ちたのだ。浮かれていた自分がバカに思えた。

 

 まもなく、予定より大幅に早く宿を引き払った俺は、泣く泣く機上の人となった。

 

ちょんの間街で見覚えのある女が…

 話はこれで終わりじゃない。あの屈辱のゲストハウス事件から1年が過ぎたころ、俺は再び沖縄へ向かった。

 

 今回の目的はずばり買春だ。友人と一緒にちょんの間を巡り、精子を垂れ流しまくってやろうという、実に地に足の着いた計画である。

 

 

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