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まさかそこまでするか?夫の浮気の証拠を押えるべく妻が見せた恐るべき行動力
2015.11.14

怒る女

浮気バレの心配は万に一つもない

 

 40の大台を目前に控えた昨年1月、8つ下の女性と籍を入れた。交際期間3カ月のスピード結婚だった。

 

 新妻の美咲は、テレ東・大橋アナを彷彿させる美形で、体の相性もバツグン。遊び人のオレにはもったいないほどの女だ。

 

 しかし結婚して同居をはじめた直後から、不満が噴出した。オレと交際をはじめるずっと前から、彼女はロッククライミングにハマっており、それが元で、家を空けることがしょっちゅうなのだ。

 

 平日は、2日おきに夜遅くまでジムに通いつめ、月に4度の週末も、その半分をトレーニングや大会出場に費やす始末だ。

 

 当然、オレは抗議した。いくらなんでも度が過ぎる。新婚らしく、もっと2人の時間を大切にしてくれ。

 

 しかし、妻はにべもない。

 

 「そうしたいのは山々だけど、トレーニングしてないと筋力が落ちちゃうのよね」

 

 同じようなやり取りが何度か続き、オレの気持ちは自然と外に向いた。手ごろな浮気相手はすぐに見つかった。キャバ嬢の早紀。彼女の店を接待に使った際、意気投合したのがキッカケだ。

 

 用心深いオレは、早紀との密会場所に自分の職場を使った。テナントビルの9階に位置する我が広告代理店は、ひとつ上の10階に、社員が仮眠を取るための部屋がある。シャワーにベッド、システムキッチンまで完備された立派な代物だ。外を出歩かないのだから、浮気バレの心配は万に一つもないだろう。

 

デジカメに2人の姿が

 

 とはいえ、突然、朝帰りの頻度が増えれば、さすがの妻も不審に思わぬはずがない。ある日、彼女はするどい目つきで言った。

 

 「なんだか毎晩、遅いよね。どこで何してるの?」
 「最近いそがしくて、会社の仮眠室で寝てるんだ」
 「…ウソ。ホントは浮気してるんでしょ」

 

 ギクリとした。が、すかさず軽口で応酬する。

 

 「そんなヒマがあればオレだってうれしいんだけどね〜」
 「ときどき香水のニオイぷんぷんさせてるよ」
 「キャバクラでついたのかも。接待でよく使うから」
 「絶対に浮気してる。見ててわかるもん」
 「バカじゃねえのか? そんなことあるわけねーだろ!」

 

 強気な態度に出るのは、もちろん、バレっこない自信があるからだ。オレはわざと虚勢を張った。

 

 「お前は自分の亭主を信じられないのか! そこまでいうなら浮気の証拠を見せてみろ!」

 

 それから数週間が過ぎたある日の晩、珍しくはやい時間に帰宅したオレは、居間でひとり晩酌をしていた。冷蔵庫からつまみを取り出そうと立ち上がったとき、妻の声が飛んできた。

 

 「あのさ、やっぱり浮気してるでしょ?」

 

 思わずため息が出た。なんてしつこいヤツだ。いちいちてめぇの想像(当たってるけど)で疑われちゃ、タマらんっつーの。

 

 「いい加減にしろよ。何か証拠でもあるわけ?」

 

 妻が不敵な笑みを浮かべた。…なんだなんだ?やや警戒するオレに、彼女はポケットから取り出したデジカメの画面を見せた。その瞬間、背筋にゾゾっと悪寒が走った感覚は、いまだに忘れられない。デジカメに、あられもない姿でくつろぐオレと早紀の姿がハッキリと映っていたのだ。

 

 「もう離婚だね、アタシたち。慰謝料ちゃんと払ってよね」

 

 妻は悲しいような誇らしいような、よくわからん表情を浮かべていた。
 

     
 ここからは、別れた元妻から聞いた話である。オレに「浮気の証拠を見せてみろ」と罵倒された彼女は、その翌日から会社のビルの前で張り込みをはじめた。

 

 女の勘が正しかったことはすぐに証明された。張り込み2日目の深夜、ビルからオレと早紀が手をつないで出てくるところを目撃したのだ。

 

 いつだったかオレも漏らしていたのだろう。仮眠室は会社の真上にあることを。妻は、まもなく行動を起こした。

 

 まずはビル2階のエレベーターホールの小窓から南側の壁、つまり仮眠室ベランダの真下に出る。そこからは得意のクライミング技術を駆使して、地上30メートルの10階を目指し、よじ登りだした。ベルトに、ザイルやハーネス、プロテクションギア(支点確保のための器具)など、専用道具をぶら下げて。

 

 壁の隙間に指をかけ、手すりを掴み、悪戦苦闘すること90分。ついにベランダへの侵入に成功した彼女は、浮気の決定的証拠をカメラに収め、地上へ降りていったという。

 

 離婚時に支払った慰謝料、500万。経済的なダメージは計り知れないが、いまでもつくづく感心する。まったく、大した女だ。

 

 

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