その他
うげぇ、吐きそう~><; 街撮り“ゲロ写真”展の異様すぎる雰囲気
2015.10.28

 ちょっと旬は過ぎましたが、又吉の小説『火花』で印象に残っているシーンがあります。酒を飲んだ帰り道、主人公が路上で吐きそうにしていると、ツレの先輩からこんなふうなことを言われるんです。

 

「おい、そこで吐くな! おまえだってさ、朝、仕事に行く途中、道ばたでゲロ見かけたらイヤやろ!」

 

 まったくもってその通りですよね。街のゲロほど最悪なものは無し。普通の感覚を持った人間なら、ゲロなんてゼッタイに目にしたくないと思います。しかし先日、ネットでこんな奇っ怪なイベントの告知を発見しました。

 

 

 街ゲロ写真展『TOKYO GEROS COLLECTION´15』(10月23日~25日、東京・原宿)

 

 

 ページを開いてみると、街ゲロの写真撮影をライフワークにしている、“百壁ネロ”という男性の個展らしいです。不気味も不気味ですが、だからこそ何となく興味がわいてきました。いったいどんなイベントなのか、取材に行ってみましょう。

 

※食事中の方や、気分の優れない方は、この先の閲覧をご遠慮ください

 

 

撮り始めたキッカケは? 気付いたら自然と

 10月23日(金曜)。会場の原宿のギャラリーには、意外にもお客がけっこう入っていました。さて、肝心の写真は…?

 

 あっちの写真もこっちの写真も、全てゲロ。想像はしていたけど、すごいインパクトです。普通にキモイんだけど。まずは、在廊していた主催の百壁氏に話を伺ってみることに。

 

――ゲロを撮り始めたキッカケは?
「撮りだしたのは、半年くらい前からです。これって言うキッカケはなくて、気付いたら自然とカメラを向けていました。ゲロって、街で遭遇するとドキッとするじゃないですか? その生理的に訴えかけてくるパワーに魅かれた感じかな。で、実際に撮り始めてみると、形も色もいろいろだから、被写体として面白くて」

 

――上手く撮るコツとかは?
「構図や光の加減など、撮影テクニックについては普通の写真と同じだと思います。ローアングルで奥行きを出すと写真が映えるんで、そういう工夫とかはしてるかな。あと、撮影は深夜がメインなんで、ガンガン歩き回って体力勝負で撮ってます。朝になるとハトがゲロを食い荒らしちゃうし、ゲロの鮮度も落ちるんで」

 

――女性が今まさに吐いている現場を狙って撮ったりはしませんか?
「そういうのはしません。ぼくのゲロ撮影って、性的興奮がベースにあるわけじゃなく、硬派なんで。コンセプトは、ゲロに遭遇した瞬間のドキドキを忠実に再現し、その面白さを引き出したいってことなんで」

 

 その面白さってのがどういうモノなのかはさっぱりなんですが、百壁氏が情熱を持って活動されている方だとはわかりました。

 

 では、お客さんにも話を聞いてみましょう。まずは、物販コーナーで“写真集”と”ゲロ枕”(ゲロ写真がプリントされた枕)を購入していた外人四人組から。

 

――どこから来たんですか?
「サンフランシスコからです」

 

――なぜこんなイベントに?
「原宿を観光していたら、たまたま迷い込んだんですよ」

 

――グッズを買われてましたよね?
「東京のストリートの雰囲気がよくわかるし、お土産に買って帰ったら、友達に面白がってもらえるかなぁと思って」

 

 お次は、二十代前半くらいの女性客。

――どうしてこんな写真展に来たんですか?
「うーん、このギャラリーってけっこう有名じゃないですか。だから前から来たいと思ってて。今日はどんなイベントがやってるか知らずに来たんですよ。そしたら、こんな写真展がやってて」

 

――ビックリしたでしょ?
「もちろんビックリしました。イヤやわ~、無理やわ~、って思いました。でも見ているうちに、意外と慣れてきましたよ。だから物販コーナーの写メも撮りました~」

 

 

 何だかよくわかりませんが、お客さんもそれなりに楽しんでいるご様子。いやぁ、不思議な世界もあったもんですなぁ。

 

 

 

 

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会場は、ファッション誌の撮影にもよく使われるお洒落ギャラリーでした(※写真をクリックすると、かなりキモいんでご注意を

 

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あっちの写真もこっちの写真も全てゲロ。めっちゃ異様な雰囲気です

 

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作品タイトル『2015/9/5 高円寺、早朝4時50分。麺が織り成す軌跡の乱反射』

もらいゲロしそうとしか言いようがない

 

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百壁氏。かなり雰囲気のある方です。曰く「ドロドロ、テカテカしたもの全般が大好き」とか

 

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お客さんは熱心に鑑賞されておりました

 

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ステッカーにTシャツ、ポストカード、枕、お皿――。物販が充実してます

 

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サンフランシスコからの4人組客。

原宿を観光していたら、こんな場所に迷い込んでしまったなんて、ホラーみたいな話ですね

 

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「oops…」とか「cool!」とか言いながら、“写真集”と”ゲロ枕”を買っておりました

 

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写メをパチパチ撮っていた女性客さん

 

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女性客さんには個性的な方が多かったです

 

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お客がもらいゲロをしたときのための“吐きスペース”も設置されてました

 

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百壁氏とパシャリ。…わたくし、顔がひきつっていてすみません…

 

 

文・伊藤綾(フリーライター)

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