テクニック
名刺を出して、コールを唄えば 女はコロッと股を開く!俺の〝なんちゃってホスト〟体験記
2015.10.26

 昔の裏モノJAPANに、プロボクサーを騙り、ファンの女を喰いまくる、という記事が載っていた。結局、ウソがばれてボコボコに――というオチだったが、俺は決して彼を笑えない。何を隠そう、自分も同じ穴のムジナ。俺が女にモテるため詐称したのは、おなじみホストだった。

 

不細工なホストたちが逆ナンされてんじゃん!

 その日、新宿の風俗で一発抜いた俺は、右も左もホストクラブが軒を連ねる通称「ホスト通り」を歩いていた。

「あの〜、一緒に飲みに行きません?」

 とある店の前で、いまどきのギャルが2人、出入りするホスト連中に声をかけていた。

「あ? じゃ店入れよ」
「え、でもお金かかるし、緊張するから…」
「じゃ、行かねぇ」

 何たることよ! 逆ナンじゃん。ってか、あのホストたち、不細工にチビにハゲまで揃ってんのに、なんでモテるわけ? しかもよく見れば、同じような光景がそこら中に。どーなってんの、これ。

 

「ホストは、お水や風俗嬢にとってブランドなのよ。一緒にいるだけでプライドが満たされるの。これ、常識よ」

 

 馴染みの風俗嬢に、コトの次第を話したところ、意外な答えが返ってきた。彼女自身も、月収の半分以上をホストにつぎ込んでいるらしい。

「でも、お店に行くのは抵抗あるからって、外で逆ナンしちゃうコも大勢いるの。追っかけも多いし」

 どれだけ話を聞いても、俺にはよくわからない。あんなチャラチャラした野郎どものどこがいいんだ。いや、ここで妬んでいても仕方ない。重要なのは、とにもかくにもホストって立場が女にモテるってことだ。ならば…。

 

普段じゃ絶対ムリめなイケイケから逆ナンとはこれいかに

 5日後、洒落たスーツ、グッチのネクタイとカフスという出で立ちで、俺はホスト通りに舞い戻っていた。
幸い、髪型は普段からロン毛茶髪だし、どっからどう見てもホンモノ。むしろ、俺の方がずっと男前なんじゃないか。ふふ、では行きますよ!

 20分後、俺はかつてない興奮を味わっていた。

 なんと、そこら辺を歩いているだけで、普段のナンパじゃ絶対ムリめなイケイケ女から逆ナンを受け、あっさり、実にあっさりとホテルへシケ込めてしまったのである。おまけに休憩代も「私にオゴらせて」ときたもんだ。ウソ、何コレ。マジあり得ねぇ〜!!

 調子に乗った俺は、よりホストっぽく振る舞うべく、適当な店名と源氏名を刷り込んだ名刺を数タイプ用意。さらには雑誌や偶然見た『不況どこ吹く風! ホストの花道』なるTV番組で、ホンモノが取りがちな言動やコールなるものまで研究した。

 

♪愛ちゃん愛ちゃん、可愛い可愛い、セクシーセクシー、やっぱり愛ちゃんとのセックスはぁ、最っ高〜っ♪

 

 後日、声をかけてきた女をホテルに連れ込み、さっそく試してみた。すると、

「やだぁーうれしーい! ねぇレイ君(俺の源氏名)、今度デパート行こうよ」
「デパート?」
「レイ君、時計してないでしょ? プレゼントさせてよ〜」

 最高である。

 

 なんちゃってホストになって1カ月、困った事態が起きた。そのころ、すでに特定の女を3人転がす一方、日々 一期一会エッチ に勤しんでいた俺に、みなが言うのである。

「(俺の)お店に行きたい」

 いじましくも、売り上げに貢献したいらしい。

 むろん、そんなことは不可能であり、「オマエは特別な存在だからカネなんか使うなよ」などと言い逃れるしかないのだが、なかなか引き下がってくれない。

 どころか、中には、「名刺のお店探したけどないよ。マジでホストなの?」

 疑いの目を向ける者までいる。ヤバイ、どうしよう…。

 どうもしなかった。というより、こんなオイシイ状況をみすみすあきらめるなんてできない。結局、「それ古い名刺だから店名違うんだよ」だの、「今度連れてってやるから」だのと、どうにもならないウソをつき通し、現状維持に努めたのである。

 

有名店のナンバー2を騙って調子に乗っていたところ……

 そんなある日のことだ。

 

「あの、カズさんですか?」

 例によってホスト通りを徘徊していると、1人のホステス風の女に声をかけられた。カズとはそのころ俺が頻繁に使っていた源氏名で、有名店「M」のナンバー2の名前である。奇遇にも、ホンモノのカズと容姿が似通っていたため、軽い気持ちで使わせていただいてたのだが…。

「うれしい、一度会ってみたかったの〜」

 ひとまず近くの喫茶店に入り、コーヒーを飲む俺に女はうっとりとした表情を見せる。かぁ、かわいいねぇ。鼻の下を伸ばしたのも束の間、どこからともなく現れた1人の男がつかつかとこちらに歩み寄ってきた。誰?なんか俺と顔が似てない?

「やっと見つけたぜ、偽ホスト。いい加減にしろよ!」

 カ、カズじゃん!

 いきなりえり首を掴まれた俺は、そのまま近くの有料パーキングへ。と、そこには、十数人のホストが待ちかまえており、みな憎々しげにこちらを睨み付けていた。

「お前、ホスト騙って女喰ってんだって?」
「あ…いや…」

 どうやら、俺の悪行は界隈で知れ渡っていたらしい。

「殺すぞ」

 20発以上のパンチ、40発以上の蹴りを食らった俺は、ろくに開かぬ目に涙を浮かべ、脱兎のごとく家に逃げ帰った。

     
 やはり結論は、あのボクシング記事と同じにならざるを得ないようだ。

「みなさん、決して身分詐称などしないように」

 

 

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