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遠征費をピンハネし、野球ギャルを喰いまくる。少年野球のコーチは金と女に不自由なし
2015.10.22

少年野球「やっぱ、女は若いコに限るな。肌が違うよ」
 突然の人事異動で故郷の支店勤務になって3カ月。
久しぶりに中学時代の悪友、小峰(仮名)と飲んでると、ヤツがポロっと漏らした。
 出会い系で知り合った女子高生と援交でもやってるのかと思ったら、違うらしい。
 そういえば、小峰は親父さんが始めた防犯グッズ屋を手伝ってるって言ったな。
ってことは、客の奥さんに手を出してるんじゃ。
「そんなんじゃないよ。実はさ…」
 小峰の話にオレはぶっ飛んだ。
5年ほど前に少年野球チームのコーチを引き受けた途端、女にも金にも不自由しなくなったと言うのだ。

 

甲子園に行っただけで岡山じゃ町のヒーロー

 少年野球といえばリトルリーグ(全日本リトル野球協会が運営)が有名だが、他にもボーイズリーグ(日本少年野球連盟)やヤングリーグ(全日本少年公式野球連盟)など、全国規模で活動する団体がいくつもある。
 なぜか岡山は昔から野球人気が高く、それぞれの団体に所属するチームが複数存在。
男の子は小学生になるといずれかの野球チームに入り、土日ともなれば家族総出で練習を見に行くのが当たり前だったりする。
 もちろん、小峰もオレも野球チームで毎日遅くまで練習した口だ。
でも、オレは親の転勤で上京する高3まで野球を続けたが、小峰は小学校止まり。
その程度の経験でコーチが務まるのか?
「いや、26のとき見合いで結婚して家業を継いだんだ。そうすると商店街の集まりってのがあるわけ」
 そこで小峰は、自分は甲子園経験者だと大ボラを吹く。
隣県の工業高校を中退したくせに、和歌山の名門高にスポーツ推薦された、と。 
「補欠だけど2年の夏季大会でベンチに座ってたんですよ、って。冗談なのにジイサン連中が真に受けちゃったもんだからウソとも言えなくて」
 補欠だろうが、岡山じゃ甲子園に行っただけで町のヒーローだ。
すぐに少年野球チームのコーチをやってほしいとの話が舞い込む。
 こうして小峰は、甲子園のヒーローやプロ野球選手が何人も出ている伝統チーム・岡山ジャイアンツ(仮名)のコーチに就任したのである。

 

子供をチームに入れるため体を提供する母親

「やってみるとコーチなんて簡単なんだ。ジャイアンツは名門だから、腕に自慢の子供が勝手に集まってきて、勝手に上達する。ノックさえできりゃ誰でもやれるよ」
 しかし、親の目にはそう映らない。うちの子をチームに入れてくれ、レギュラーにしてほしいと、金品持参で小峰の元を訪れる。
名前だけの監督より、現場で練習を仕切るコーチに実権があるからだ。
 最初はとまどっていた小峰も、すぐに慣れ、自らどん欲に役得を享受し始めた。
「基本は、ピンハネだな。バットやグラブ代の領収書で自分の服を買うとか、本来10万の遠征費を、バスの運転手に20万の領収書を切らせて残りをいただくとかさ」
 ジャイアンツには、野球の名門高校から引き合いも多い。
そこで、うちのエースをやるからとバックマージンを取る。
「それじゃ普通だろ。オレは、エースだけじゃなく、この選手もいい素質を持ってるから取ってくれって交渉するわけ。万年補欠だけど家が金持ちの子をさ。と、その親から謝礼を引っ張れる」
 コーチは半分ボランティアのようなもの。
会計もどんぶり勘定だし、金についてはわからないでもない。
しかし、女ってのは何だ?
「チームには小学生から入れるわけ。小学生の母親ってのは、十分、オレのストライクゾーンなんだ」
 うちの子を入れてほしいと金品の他、自分の体を投げ出す親が少なくないという。ただ、これには小峰の容姿も関係しているだろう。
180センチを超える長身に、38才には見えない鍛えられた体。
一見、さわやかなスポーツ青年に映る。
「相談に乗りましょうってホテルの茶店に誘って、冗談めかして『もっと静かなとこで話しましょうか』なんて水を向けりゃあさ」
 呆れたもんだが、相手が大人ならまだ許せる。
ところが小峰の魔の手は子供たちにも伸びる。
「うちのチームでレギュラー張ってりゃ、それだけで地元のヒーローなんだ。
練習試合でもやろうもんなら野球ギャルっての? 女子中学生がわんさか集まってくるんだ。
その中から遊んでそうなのに声かけるわけ。オジサンはジャイアンツのコーチやってるんだ、好きな選手に会わせてやろうかって。メシでも喰わせりゃ、簡単にホテルに付いてくるよ」
 さらには選手さえも利用する。
補欠の中で顔のいい子にこう持ちかけるという。
「おまえ、よくファンレターもらってるよな。オレに女のコを紹介してくれたら今度の試合に出してやるぞ」
 よくそんなことを10年近くも続けてボロが出ないもんだ。
普通ならパクられてるぞ。
「その辺は大丈夫。オレがコーチになってからも甲子園に出たりプロになった選手が何人もいるからさ。少しぐらい悪いウワサがあったところで誰も気にしないよ」
 呆れたコーチがいたもんだ。こんな体たらくじゃ、野球離れが進むのもムリはない。

 

※本稿は月刊裏モノJAPAN2005年6月号に掲載された記事をWeb版に再編集したものです。

 

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